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「夫も家事してるのに」なぜ妻だけ常に不機嫌?共働き家庭の”無自覚な負荷”を暴く

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共働き夫婦よ、聞け。「夫も家事してるのに」なぜ妻だけ不機嫌なのか?

「うちの妻、夫の俺も家事やってるのに、なんでいつも不機嫌なんだろう?」

そう思ってる旦那さん、正直に手を挙げてみて。きっと、あなたの他にもたくさんいるはず。そして、「夫は手伝ってくれてる、ありがたい」と思いつつも、どこか満たされない、いつもイライラが募る奥さんもいるはずだ。

共働きが当たり前になったこの時代に、なぜこんなにも家庭内の「感情の格差」が生まれるんだろう? 表面的な家事分担だけでは見えない、もっと深い、そして厄介な問題がそこには潜んでいる。今回は、その「夫もやってるのに」の裏に隠された、共働き家庭の”無自覚な負荷”の正体を、あぶり出していこうと思う。

共働き家庭の「不機嫌」を生む、見えない家事と名もなき管理

表面上は平等に見える家事分担の裏で、妻だけが抱え込む「無自覚な負荷」とは一体何なのか。具体的な話なしでは、なかなかピンとこない人もいるかもしれない。だから今回は、私が取材した共働き夫婦の一例から、その実態を暴いていこうと思う。

「手伝ってる」夫と、「責任者」の妻が生む溝

都内でIT企業の管理職として働く佐藤麻衣さん(仮名、30代後半)。夫も同じくIT企業に勤める共働き夫婦で、小学校低学年の子どもが一人いる。彼女の話を聞いていると、まさに「夫も家事を手伝っているのに、なぜか妻だけ不機嫌」の典型だと感じた。

「夫は確かに家事も育児もやってくれるんですよ。ゴミ出しは毎日してくれるし、食器洗いも食洗機に入れるのは夫の担当。お風呂掃除もやってくれるし、週末は子どもの遊び相手も積極的。私も感謝してるんです。でも、なぜか常にモヤモヤするし、夫に『手伝ってる』って言われるとイラッとしちゃうんです。」

麻衣さんはそう言って、小さくため息をついた。夫が家事を「手伝っている」と口にするたびに感じる違和感、そして常に心の奥底にある不満。これこそが、多くの共働き家庭で妻が抱える「無自覚な負荷」の根源なんだ。

ある日のこと。麻衣さんは残業で帰宅が遅くなり、疲れ果てていた。夫がすでに夕食を作ってくれていたのはありがたい。食卓には、子どもが喜ぶカレーと、夫が作ったサラダがあった。一見、完璧な夫のサポートに見えるだろう。でも、麻衣さんの心は晴れなかった。

「その日の朝、子どもが『今日学校で使うクレヨンがない!』って言い出して。急いで夫に『今日の帰りにクレヨン買ってきてくれる?』ってLINEしたんです。夫は『OK』って返事してくれた。夕食の準備もしてくれたし、私もすごく疲れてたから、安心してたら、子どもが『ママ、クレヨン買ってきてくれた?』って聞いてきて。夫に『クレヨンは?』って聞いたら、『あ、忘れた! ごめん!』って。悪気はないのはわかるけど、もうその瞬間、ドッと疲れて。結局、私がパジャマのままコンビニに買いに走りました。」

麻衣さんの話を聞いて、私はすぐにピンときた。「あ、これだ」と。夫は「クレヨンを買う」という”タスク”は認識していた。でも、そのタスクの”背景”や”重要度”、そして「もし忘れたらどうなるか」という”リスク”までを認識し、責任を持って管理していたのは、常に麻衣さんだったんだ。

「名もなき家事」のその先に潜む「名もなき管理」

「名もなき家事」という言葉が浸透して久しい。トイレットペーパーの補充、子どもの持ち物の準備、排水溝の髪の毛を取る、消耗品の在庫管理。これらは誰かが気づいてやらないと、生活が回らないけれど、明確な担当者が決まっていないことが多い。そして、多くの共働き家庭で、これらを「気づく」役割を担っているのは妻だ。

でも、麻衣さんの話で浮き彫りになったのは、単なる「名もなき家事」だけじゃない。その上を行く「名もなき管理」の重圧なんだ。

クレヨン一つにしてもそう。
夫が認識していたのは「クレヨンを買う」という”作業”だけ。
麻衣さんが認識していたのは、
1. クレヨンがない事実
2. 今日中に必要であること
3. 忘れずに買ってくるというタスクの生成
4. 夫に依頼するという「タスクの委任」
5. 夫が本当に買ってこられるかの「進捗管理」
6. もし忘れられた場合の「リスクヘッジ」(自分が買いに行く準備)

つまり、麻衣さんは常に頭の中で、家事育児に関するあらゆるタスクを生成し、優先順位をつけ、誰に依頼するかを判断し、その進捗を監視し、予期せぬ事態に備えるという、まるでプロジェクトマネージャーのような役割を一人で担っている。これを私は「家庭のプロジェクトマネジメント」と呼んでいる。

夫が「手伝っている」と感じるのは、麻衣さんが既に「プロジェクト化」したタスクの一部を、単体でこなしている場合がほとんどだ。しかし、タスクの生成、優先順位付け、進捗管理、リスク管理、これらすべては、目に見えない形で妻の脳内で24時間稼働している。これがどれほどの精神的負荷か、想像できるだろうか?

麻衣さんは言う。「夫は、私が言えば何でもやってくれるんです。でも、私が『あれやって、これやって』って指示しないと動かない。指示するのも、考えるのも、私。正直、『私がいなくても回る』と思ってほしい。じゃないと、いつまでも私が一人で家庭の全てを背負っているような気持ちになるんです。」

そう、彼女の不満は、夫が家事をしないことではない。夫が家事の「責任者」としての意識を持っていないこと、そしてその「名もなき管理」の負荷を、自分一人で抱え込んでいることへの不満なんだ。

「夫も家事してるのに」なぜ妻だけ不機嫌なのか? その答えは、家事の”量”の問題だけじゃない。家庭内のあらゆることを「管理」し、「責任」を負っているのが、妻であるという「無自覚な負荷」にあるんだ。この見えない重圧が、夫婦間の溝を深め、妻の笑顔を奪っている。そして夫は、その存在にすら気づいていないケースがほとんどだ。

この「名もなき管理」の現実を、どうやって夫婦で共有し、解消していくのか。次章では、具体的なステップを探っていく。

「やってるのに」の壁を越えろ!共働き家庭に「当事者意識」を育む処方箋

佐藤麻衣さん(仮名)のエピソードから見えてきた、共働き家庭に潜む「名もなき管理」の重圧。この見えない負荷こそが、「夫も家事してるのに」なぜ妻だけ不機嫌なのか、という問いへの答えだ。では、この厄介な問題に、私たち夫婦はどう立ち向かえばいいのか。

夫よ、家事の「責任者」になれ。

シンプルで、そして最も強力なメッセージはこれだ。

夫よ、今日から「手伝う」という意識を捨ててほしい。あなたは家の「ゲスト」ではない。共働きのパートナーとして、家事育児の「当事者」であり、「責任者」なんだと自覚すること。

これは決して、完璧な家事を求めることではない。妻の指示がなくても、自分で気づき、自分で判断し、自分で実行し、そしてその結果に責任を持つ。それが「責任者」の役割だ。

例えば、
* トイレットペーパーが少なくなったら、誰かに言われる前にストックを確認し、必要なら買い足す。
* 子どもの明日の持ち物を、妻に聞く前に自分で連絡帳やプリントを見て確認し、準備を始める。
* 週末の食料品買い出しリストを、妻が作るのを待つのではなく、「何が足りないか」を自分で考え、リストアップする。

「言われたらやる」から「自分がどうすれば一番スムーズに回るか考える」への意識改革。これが、妻の「名もなき管理」の負荷を軽減する、唯一にして最大の処方箋なんだ。

対話から生まれる「家庭のOS」

もちろん、夫がいきなりすべてを完璧にこなせるわけではない。だからこそ、夫婦間の「対話」が不可欠になる。ただし、ここでの対話は、「家事分担表」を埋めるような表面的なものでは不十分だ。

二人で一度、家庭内の「名もなき管理」タスクを洗い出してみること。
* 「子どもが熱を出した時、誰が病院に連れて行くか、会社に連絡するか」
* 「急な来客があった時、誰が掃除や準備の指示を出すか」
* 「冷蔵庫の食材が少なくなってきた時、誰が献立を考え、買い物の指示を出すか」

こうして可視化することで、いかに多くの「名もなき管理」が妻の脳内で処理されているか、夫も具体的に理解できるようになる。

そして、「これからは、このタスクはあなたが責任者になってね」と、具体的な「管理責任」を委譲していく。最初は戸惑うかもしれない。失敗することもあるだろう。でも、それはお互いが「家庭のOS(オペレーティングシステム)」を共同で構築していくプロセスなんだ。

「不機嫌」の裏に隠された、真の願い

妻の「不機嫌」の裏に隠されているのは、決して夫への不満だけじゃない。
「私だって、もっと余裕を持って笑顔で過ごしたい」
「夫と一緒に、この家を『自分たちのもの』として作り上げていきたい」
という、ささやかで、でも切実な願いなんだ。

共働き家庭が目指すべきは、単なる家事の「分担」じゃない。
家事育児の「当事者意識」を共有し、家庭を共に「経営」する意識を持つこと。

夫が「手伝う」から「責任者」にシフトチェートした時、妻の心の奥底に眠っていた「無自覚な負荷」は少しずつ解放され、夫婦の関係はもっと深く、もっと豊かなものに変わっていくはずだ。

「夫も家事してるのに」なぜ妻だけ不機嫌なのか?
その答えは、今日からあなたたちの家庭で、新しい「当事者意識」が芽生えるかどうか、にかかっている。

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