記事内のリンクには、広告を含むものがあります。おすすめできるものだけを紹介していますので、安心してご覧くださいね!

夫(妻)はなぜ家事をしない?共働き家庭の「名もなき家事」が夫婦仲を破壊する”真犯人”

ブログ

共働き家庭のモヤモヤ、その原因、見えてる?

共働きで毎日ヘトヘトなのに、なぜか自分だけが家事の負担を抱えている気がする。
「なんで私ばっかり?」って、心の中で叫んだこと、一度や二度じゃないはず。
夕食の準備も、子どもの世話も、洗濯物も、気づけばいつもあなたばかりが動いている。

でも、ちょっと待って。その「家事をしない夫(妻)」という分かりやすい構図の裏に、もっと厄介で、もっと巧妙な”真犯人”が潜んでいることに気づいていますか?

それが、まさに「名もなき家事」の無限ループ。
この記事では、共働き家庭を蝕む見えない家事の正体と、それがどうやって夫婦関係に決定的な亀裂を入れるのか、その核心に迫っていきます。

「名もなき家事」の正体は、夫婦の間に潜む”見えない地雷”

「家事」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょう?洗濯、掃除、料理。これらは目に見える、誰もが認識できる「家事」ですよね。でも、共働き家庭で本当に問題になるのは、それらのリストには載らない、もっとやっかいなやつなんです。そう、「名もなき家事」。

それがどんなものか、具体的なエピソードから深掘りしていきましょう。私自身、多くの共働き家庭を取材する中で、何度この”見えない地雷”が夫婦関係を破壊する現場に立ち会ったことか。今回は、私がかつて取材した、都内在住の共働き夫婦、大輔さん(仮名)と沙織さん(仮名)のケースをお話します。仮名ですが、彼らの日常は、きっと多くの家庭で繰り広げられているリアルな現実です。

夫は「やってるつもり」、妻は「なんで私ばかり」の無限ループ

大輔さんと沙織さん夫妻は、ともにフルタイムで働く30代後半。小学生と幼稚園児、二人の子どもがいます。大輔さんは「家事は手伝っているつもり」で、週末には子どもと遊んだり、言われればゴミ出しもする。料理もたまには作ってくれる。傍から見れば、協力的な夫に見えるかもしれません。

しかし、妻の沙織さんの心には、常に説明のつかないモヤモヤが渦巻いていました。
ある日のこと。沙織さんは仕事から帰ってきて、リビングに入った瞬間、頭痛がしました。
散らかった子どものおもちゃ、ダイニングテーブルの上に積み重なった郵便物、ソファに放りっぱなしの夫の仕事着。
「あぁ、またか…」
彼女がため息をつく傍らで、大輔さんはスマホをいじりながら「今日のご飯、何?」と悪気なく声をかけます。

この瞬間、沙織さんの心に忍び寄るのが「名もなき家事」の影です。
大輔さんにとって、散らかったリビングは「後で片付ければいいもの」。郵便物は「そのうち確認するもの」。でも沙織さんにとっては、それは「今、視界に入ってしまっている情報」。そしてその情報一つ一つが、「いつか片付けなければならない」「いつか確認しなければならない」というタスクとして、彼女の脳内で登録されてしまうのです。

例えば、

* トイレットペーパーの補充:なくなったら「誰かが替える」のではなく、「あなた」が替える。そして「予備の場所を把握し、そこから持ってくる」という一連の作業がある。
* ゴミ袋のセット:ゴミ箱からパンパンの袋を出したら、次の袋をセットする。これをするかしないかで、次のゴミ捨ての準備が完了しているかどうかが決まる。
* 子どもの持ち物チェック:明日の持ち物リストを学校のプリントで確認し、体操服が汚れていたら洗濯かごに入れ、給食袋がなければ探して、水筒を洗ってセットする。これを毎晩繰り返す。
* 冷蔵庫の管理:食材の賞味期限を把握し、優先的に使うものを決め、足りないものをメモし、買い物の計画を立てる。
* 洗剤や消耗品の補充:シャンプーが残り少なくなったら詰め替えを準備し、ストックがなければ買い足しリストに入れる。
* 献立を考える:「何食べたい?」と聞かれた時に、具体的な食材の有無、栄養バランス、調理時間、子どもの好みを瞬時に計算し、最適な答えを導き出す。

これら一つ一つは、ごく些細なことです。本当に些細なこと。でも、これらがすべて、「誰かの頭の中」で処理されている。そして、その「誰か」は、圧倒的に女性側であることが多いのです。

大輔さんは、リビングが散らかっていても、トイレットペーパーが空でも、シャンプーがなくなっても、それらを「タスク」として認識していませんでした。なぜなら、いつの間にか沙織さんが解決しているからです。

沙織さんは言いました。「大輔は、私が『やってほしい』と言うと動いてくれるんです。でも、その『言ってほしいこと』をリストアップするのも私、伝えるのも私。最終的に、私が全部段取りしてるんです。これって、もう一つの仕事じゃないですか?」

彼女の言葉は、まさに核心を突いていました。言われるがままに動くことと、自ら問題を発見し、解決策を考え、実行することの間には、天と地ほどの差があるのです。

「気づき」の差が、心の距離を作る

この「名もなき家事」の恐ろしいところは、見えないだけに、パートナーにはその負担が全く伝わらない、という点にあります。大輔さんは「沙織が忙しそうだから、俺が今日は洗い物しておこう」と自発的に動くことはあっても、「あれ、洗剤もうないな。買っておくか」とか、「明日の子どもの遠足、持ち物大丈夫かな。確認しておこう」といった、「先回りして考える」という行動はほとんどなかったのです。

この「気づきの差」が、時間とともに沙織さんの心に深い溝を掘っていきました。
「私だけがこの家の頭脳なんだ」「私がいなければ、この家は回らない」
そうした思いが募り、「感謝」よりも「不満」が先に立つようになってしまったのです。

ある日、些細なことで口論になった時、沙織さんはついに爆発しました。「なんで私ばっかり、いつも先回りして考えて、段取りして、あなたは何もしないの!?」と。
大輔さんは心底驚いた表情で「いや、俺も週末は子どもと遊んでるし、言われたことはやってるだろ…」と反論しました。

そう、彼にとっては「言われたことをやる」のが協力であり、最大限の努力だったのです。
でも、沙織さんにとって、その「言われる」こと自体が、すでに精神的な負担だった。

このすれ違い。これが、「名もなき家事」が共働き夫婦の間に仕掛ける、最も陰湿な地雷なのです。目に見えないからこそ、お互いが「まさかそんなことが問題だなんて」と、気づかないうちに、二人の間に取り返しのつかない亀裂が入っていく。

あなたの家庭にも、この「見えない地雷」は潜んでいませんか?
次章では、この「名もなき家事」の連鎖を断ち切り、夫婦関係を再構築するための具体的なステップについて、さらに深く掘り下げていきます。

名もなき家事の連鎖を断ち切る、たった一つのシンプルな処方箋

さて、ここまで「名もなき家事」がどれほど巧妙に共働き家庭を蝕み、夫婦関係に亀裂を入れる「見えない地雷」であるかを語ってきました。大輔さんと沙織さんのエピソードは、決して特別な話ではありません。もしかしたら、あなた自身の日常そのものだったかもしれません。

じゃあ、この見えない地雷をどうやって処理すればいいのか?
多くの人は「家事分担リストを作ろう」「夫婦で話し合おう」と言うでしょう。もちろん、それも一つのステップです。でも、その前に、もっと根本的な意識改革が必要なんです。シンプルだけど、これしかない、という強いメッセージがあります。

「気づく力」を共有する

問題の根源は、「気づきの差」にある、と私は繰り返し言ってきました。片方だけが「気づき」、もう片方は「言われなければ気づかない」。この構造が続く限り、どんなに完璧な家事分担リストを作っても、結局は「リストを管理する」という、また新たな「名もなき家事」を生み出してしまうだけです。

本当に必要なのは、夫婦のどちらか一方に集中している「気づく力」を、二人で分け合うことです。
「シャンプーが残り少ないな」
「明日のお弁当のおかず、そろそろ考えないと」
「トイレットペーパー、ストックどこだっけ?」
こういう、一見些細な「気づき」を、あなたのパートナーも「自分ごと」として認識できるようになること。それが、共働き家庭の平和を取り戻す、最も強力な処方箋なんです。

どうすれば「気づく力」を共有できるか?それは、まずは見えないものを「言語化する」こと。自分の頭の中で無意識に処理していた「名もなき家事」の存在を、声に出して、紙に書いて、パートナーの目の前に提示することから始まります。それは、相手を責めるためではありません。この家の運営には、これだけの「見えない作業」が存在し、これまで自分がそれらを担ってきた、という事実を共有するためです。

そして、パートナーもまた、言われるまで待つのではなく、「この家で次に何が必要とされているか」を自らアンテナを張って探す意識を持つこと。家事を「手伝う」という意識から、この家を「共同で運営する」という意識へシフトすること。これができれば、家の中の空気は劇的に変わります。

「名もなき家事」を「名前ある家事」に変える

見えないから問題になる。ならば、見えないものに「名前」をつけて、見える化すればいい。
「トイレットペーパー補充」
「冷蔵庫の食材棚卸し」
「子どもイベント情報チェック」
どんなに些細なことでも、名前をつけて、それが「家を回すために必要な作業」だと認識し合う。そして、どちらか一方が負担するのではなく、その「名前ある家事」を、その都度、状況に応じて、自然に分担できるようになる。

これは一朝一夕でできることではありません。でも、この意識改革こそが、共働き家庭が直面する「家事分担」という表面的な問題の、そのずっと奥底にある「夫婦関係の質」を向上させる、唯一の方法だと断言します。

まとめ:共働き家庭の平和は「見えない家事」の可視化から

共働きで毎日忙しいからこそ、夫婦の間には「言わなくてもわかるだろう」という甘えや、「これくらいやってくれて当然」という期待が生まれがちです。しかし、その甘えや期待の陰に、「名もなき家事」という見えない負担が積み重なり、気づけば夫婦関係はギクシャクしてしまいます。

大切なのは、「名もなき家事」の存在に、あなた自身が気づくこと。そして、その存在をパートナーにも伝え、共有すること。夫婦二人で、家の「気づく力」を育み、見えない家事を「名前ある家事」に変えていく。これこそが、共働き家庭が互いを尊重し、支え合いながら、心穏やかに暮らしていくための、究極の解決策です。

もう、一人で抱え込む必要はありません。見えない地雷は、見つけて共有すれば、もう怖くないんです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました