共働き家庭の転職、その「キラキラ」に隠された落とし穴
みんな、「今がチャンス!」って言葉を聞くと、どんな気持ちになる?キャリアアップ、年収アップ、もっとやりがいのある仕事…頭の中にはバラ色の未来が広がる人も多いんじゃないかな。特に共働き家庭にとって、片方、あるいは夫婦揃っての転職って、生活をグレードアップさせる最高のチャンスに見えるよね。私もそう思ってた。
でもね、ぶっちゃけ言うと、その「チャンス」の裏側には、夫婦関係を静かに、そして確実に破壊していく「罠」が潜んでいるって知ってた?個人のキャリアチェンジが、まさかパートナーシップにまで影響するなんて、想像もしないでしょ?
その転職、本当に「家族のため」になってる?
多くの人が、転職を「個人の問題」として捉えがち。もちろん、自分の人生だから最終的には個人の決断なんだけど、共働き家庭の場合、それは二人三脚で築き上げてきた生活全体を揺るがすビッグイベントなんだよね。そして、この大事な局面で、見落とされがちな「5つの盲点」がある。これを知らないと、せっかくの転職が、夫婦間の溝を深め、取り返しのつかない事態を招く可能性すらあるの。
今回は、私がこれまで見てきた共働き夫婦のリアルな事例を交えながら、その「盲点」を赤裸々にぶっちゃけていこうと思う。あなたの今の、そしてこれからの夫婦関係を守るために、ぜひ最後まで読んでほしい。これ、本当にヤバい話だから。
盲点その1:キャリアアップの裏で静かに進む「家庭内ワンオペ化」
さて、前章で「5つの盲点」の話をしたけど、実際に何が起きるのか、具体的なエピソードを話さないとピンとこない人もいると思うんだよね。キャリアアップ、スキルアップ、年収アップ…そんなポジティブな響きの転職が、どうして夫婦関係にヒビを入れるのか。それはね、多くの人が「個人の問題」として捉えがちな「仕事」が、共働き家庭においては、良くも悪くも「夫婦の共同事業」だからなんだ。そして、その事業計画が転職によって大きく変わるとき、調整を怠ると途端にバランスが崩れる。
私が取材した浩司さん(仮名)と麻衣子さん(仮名)夫婦のケースが、まさに典型的な例だった。二人は結婚して5年、当時3歳の息子と、0歳の娘がいる共働き夫婦。浩司さんはIT企業勤務、麻衣子さんは時短勤務で広告代理店に勤めていた。結婚当初から家事育児はほぼ折半。朝は浩司さんが保育園の送り、麻衣子さんが朝食準備。夜は麻衣子さんが迎えに行き、浩司さんが夕食担当、といった具合に、協力体制がしっかり築かれていたんだ。
そんなある日、浩司さんに転職の話が舞い込んだ。大手ベンチャー企業からのヘッドハンティングで、現在の年収から大幅アップ、役職も上がるという、まさに「今がチャンス!」な話。浩司さんは麻衣子さんに相談し、麻衣子さんも「あなたのキャリアにとって良いことだし、家族のためにもなるなら」と快諾。二人で夢を語り合ったそうだよ。新しい家への引っ越しや、将来の教育費の話も弾んで、希望に満ちた数週間だったんだって。
「頑張ってるから仕方ない」が地獄の始まり
ところが、浩司さんが転職してからの生活は、二人が思い描いていたものとは全く違った。転職先の企業は、想像以上に激務だったんだ。朝は早く出社し、帰宅は毎日終電近く。新しい役職での責任感から、休日出勤も増えていった。浩司さんは、新しい環境で結果を出そうと必死だった。彼の中では「今が頑張り時」「家族のために稼いでいる」という強い自負があった。
その一方で、麻衣子さんの生活は一変した。朝は浩司さんがいなくなり、二人分の支度と保育園の送りを麻衣子さん一人でこなす。慣れない満員電車で子ども二人を連れて保育園に預け、やっと職場に着く頃にはもうクタクタ。夕方も、終業と同時に保育園に駆け込み、二人を連れて帰宅。浩司さんの帰りが遅いから、夕食も寝かしつけも、お風呂も全て麻衣子さんのワンオペ。それからやっと自分の食事、子どもの服の洗濯、翌日の準備…時計を見れば深夜1時を回っている、なんて日常がざらになった。
最初は麻衣子さんも「浩司さんも新しい職場で大変だろうし、仕方ない」と我慢していたんだ。でも、それが2ヶ月、3ヶ月と続くと、心身ともに限界が来た。ある晩、熱を出した下の子を抱きかかえながら、上の子の夕食を用意していると、携帯が鳴った。浩司さんからかと思いきや、仕事の取引先からだった。浩司さんからの連絡は、いつも「今から帰る」の一言。麻衣子さんが「熱が出た」と送っても、「お疲れ様」というスタンプ一つで終わることもあったという。その時、麻衣子さんは心の中で「私、何のためにこんなに頑張ってるんだろう…」と呟いたそうだ。
浩司さんももちろん疲れていた。新しい仕事でのプレッシャー、人間関係、膨大な情報量に毎日押しつぶされそうになっていた。彼の中では「家族のために」という気持ちが強かったから、麻衣子さんが疲れていること、家事育児の負担が激増していることには、見て見ぬふりをしていた、と後に語っていたよ。いや、見て見ぬふりというより、本当に「見えていなかった」のかもしれない。自分のことで精一杯だったから。
すれ違う心、募る不満
二人の会話は減っていった。帰りが遅い浩司さんが子どもたちの寝顔しか見られず、「可愛いなあ」と呟いても、麻衣子さんからすれば「あなたには、その子たちが朝から晩までどれだけ大変だったか、想像もつかないでしょ」という怒りに変わる。麻衣子さんが「もう少し早く帰ってこられない?」と尋ねれば、浩司さんは「頑張ってるんだから仕方ないだろ。お前もそうやって俺を追い詰めるのか」と逆ギレすることもあった。
こんな会話が何度か続き、麻衣子さんはもう何も言わなくなった。「言っても無駄」「言ったら喧嘩になるだけ」。そんな諦めが、二人の間に深い溝を作っていったんだ。浩司さんが疲れてリビングのソファで寝落ちしている姿を見るたびに、麻衣子さんの心の中には冷たい感情が積もっていったという。「疲れているのは私だって同じ。いや、私の方が肉体的にも精神的にも限界なのに、この人は何も分かってない」と。
結局、浩司さんと麻衣子さんの夫婦関係は、転職を境に急速に冷え込んでいった。表面上は「家族」として機能しているけれど、夫婦としての温かさや、お互いを思いやる気持ちは、すっかり失われてしまっていたんだ。キャリアアップという「前向きな変化」が、まさか夫婦の絆をこんなにも蝕むなんて、二人は転職前には想像もしていなかっただろうね。
このエピソードからわかるのは、転職は単なる「個人の仕事の変化」ではなく、「家庭内のリソース配分の再構築」だということ。そして、そこを夫婦で徹底的に話し合い、シミュレーションし、具体的な対策を立てなければ、高確率で麻衣子さんのような「家庭内ワンオペ化」が起こり、夫婦関係は確実に破壊されるんだ。キャリアアップという名のもとに、家庭が犠牲になるなんて、本当に本末転倒だよね。
盲点その2~5:見えないストレスと「役割固定」の罠
浩司さんと麻衣子さんのケースは、転職による「家庭内ワンオペ化」という盲点1の典型だったけれど、彼らの状況には他の盲点も深く関係しているんだ。
盲点その2は、「新しいストレス源の共有不足」。転職すると、新しい環境、人間関係、仕事の進め方、全てがストレスになるよね。浩司さんも麻衣子さんも、それぞれ自分の抱えるストレスで精一杯だったから、相手の状況を思いやる余裕がなくなっていった。パートナーが何に悩んでいるのか、どんな壁にぶつかっているのか、共有する時間が圧倒的に減ったことで、お互いの感情が見えなくなり、寄り添えなくなったんだ。
盲点その3は、「時間のズレによる価値観の乖離」。浩司さんの生活は仕事中心になり、麻衣子さんの生活は家庭と育児中心になった。共通の話題が減り、共有する体験も減ると、夫婦としての価値観や優先順位にズレが生じ始める。浩司さんにとっての「成功」が、麻衣子さんにとっては「孤独」と感じられるようになったようにね。このズレが、やがて取り返しのつかない隔たりになることがある。
盲点その4は、「期待値のすり合わせ不足」。転職前は「家族のため」という大義名分で合意したものの、その後の具体的な生活の変化について、夫婦でどこまで話し合っただろう?「年収が上がったら、家事代行を頼もうか」「残業が増えるなら、この曜日は必ず早めに帰宅しよう」…そんな具体的な対策のすり合わせがなければ、一方が勝手に期待し、もう一方がその期待に応えられず、不満だけが募っていく。
そして盲点その5は、「固定化される役割への不満」。一度、浩司さんが「稼ぎ頭」「激務だから仕方ない」という役割に、麻衣子さんが「家庭を守る」「家事育児を担う」という役割に固定されてしまうと、そこから抜け出すのは至難の業になる。麻衣子さんの「私もキャリアを諦めたわけじゃない」という声は、浩司さんの耳には届かなくなり、やがて麻衣子さん自身も自分のキャリアを「諦めるしかない」と考えるようになってしまう。この「役割固定」こそが、共働き夫婦のパートナーシップを破壊する最大の毒だと言えるかもしれない。
「転職は夫婦の共同経営」という意識を持て
ここまで読んで、「じゃあ、どうすればいいの?」って思ってる人もいると思う。私が本当に伝えたい、シンプルだけどパワフルなメッセージはこれ一つ。
「転職は、あなた個人のキャリアチェンジではない。夫婦の共同経営する『家庭』という会社の事業計画の大転換である。」
これに尽きる。
キャリアアップのチャンスが来た時、それは「個人の問題」ではなく「夫婦のプロジェクト」として捉え直してほしい。夫婦で膝を突き合わせ、徹底的に話し合うんだ。「もし残業が増えたら、誰が子どもの迎えに行く?」「家事の負担が増えたら、食洗機を導入する?家事代行を頼む?」「帰宅が遅くなったら、食事は別に準備する?」…具体的なシミュレーションを重ねて、あらゆる可能性を洗い出す。そして、それが本当に「二人にとって、家族にとって、幸せな未来に繋がる計画なのか」を真剣に問い直す。
もちろん、キャリアのチャンスを逃したくない気持ちも分かる。でも、そのチャンスの裏で、かけがえのないパートナーシップが壊れてしまうとしたら、それは本当に「チャンス」と言えるのかな?人生は一度きりだから、後悔のない選択をしたいよね。
共働き家庭の転職は、良くも悪くも生活全てを変えるほどのインパクトがある。だからこそ、その大きな波に乗る前に、もう一度、隣にいるパートナーと向き合ってほしい。お互いの「今」と「未来」について、本音で語り合う時間を作ってほしい。それが、あなたが手に入れたいキャリアも、守りたい夫婦関係も、両方叶えるための唯一の方法だから。
あなたの「幸せ」が、誰かの「我慢」の上に成り立たないように。本当に大事なものは何か、この機会に夫婦で見つめ直してみてはどうだろう。

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