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「私だけキャリアを諦めるの?」共働き家庭で“妻のキャリア”が止まる本当の理由

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共働きって、二人で力を合わせて、もっと自由に、もっと豊かに生きられるはず。それなのに、気づけば「なんで私ばっかり?」ってモヤモヤを抱えてない? 特に、自分のキャリア、これ以上は無理かも…って、いつの間にか諦めモードになってない?

「私だけ」って思ってる、そのモヤモヤの正体。

毎日必死で働いて、帰ったらご飯作って、子ども寝かしつけて、気付いたら自分の時間はゼロ。会社での昇進や、新しいスキルを身につけるチャンスが来ても、「いや、私には無理だから」って反射的に尻込みしちゃってる。

その一方で、パートナーは変わらず自分のペースでキャリアを積み上げてるように見える。「共働きなんだから、お互い様でしょ」って思ってるはずなのに、なぜか私だけが「自分のやりたいこと」や「キャリアアップのチャンス」を手放してる気がする。

それって本当に「仕方ない」ことなの?

今回の記事では、その「私だけキャリアを諦めるの?」っていう胸のつかえが、どこから来るのか。その「本当の理由」を、一緒に掘り下げていきたいと思う。きっと、あなたも心当たりがあるはずだから。

共働きなのに、なぜか「私だけが我慢してる」と感じてしまう。その違和感の正体、一体どこにあるんだろう? 多くの人が漠然と抱えているこの疑問、実は私たちの「無意識の役割分担」の中に潜んでいるのかもしれない。

「私だけ」になるのは「無意識の役割分担」のせい?

夫婦で話し合って「共働きで行こう!」と決めたはずなのに、なぜか家事や育児の「名もなきタスク」は妻に集中しがち。ゴミ出し、お風呂掃除、献立を考える、食材を切って下ごしらえする、子どもの持ち物チェック、病院の予約、予防接種の日程調整…一つ一つは小さなことかもしれない。でも、これらが積み重なると、あっという間に膨大な「見えない労働」になる。

多くの夫は「自分も手伝っている」と思っているかもしれない。もちろん、手伝ってくれている場面もたくさんあるだろう。でも、多くの場合、「主担当は妻」という構図が、知らず知らずのうちに出来上がってしまっているんだ。そして、この「主担当」という役割が、私たちのキャリアをジワジワと蝕んでいく。

「キャリアを諦める」その引き金になった、あの日の出来事

先日、取材で出会った田中沙織さん(仮名、30代後半の企画職)の話を聞いて、まさに「これだ」と思った。彼女も結婚当初は、夫と対等にキャリアを築いていこうと強く思っていたんだ。

沙織さんの部署は、常に新しいアイデアが求められるクリエイティブな場所。彼女自身も、新しいプロジェクトの企画提案にいつも意欲を燃やしていた。子どもが生まれるまでは、夫と同じように朝から晩まで働き、休日にはリフレッシュのために友人と出かけたり、自己投資のためのセミナーに参加したりと、アクティブな毎日を送っていたという。

長男が生まれてからも、その意欲は変わらなかった。「子どもがいても、キャリアを諦めたくない」という気持ちは人一倍強かったそうだ。夫(同い年、エンジニア)も「協力するよ」と言ってくれていた。

だけど、現実は想像以上に厳しかった。夜泣き、離乳食、そして保育園。最初は「二人で協力して乗り越えよう」と話していたはずなのに、いつの間にか夜間の授乳は沙織さん、平日の保育園の送りは沙織さん、急な発熱の呼び出しも沙織さん…と、自然と役割が固定されていった。夫は残業が多く、出張もある。体調を崩した子どもを、一人で看病する日々が続いた。

そんなある日、沙織さんの部署で、彼女が長年温めてきた企画がようやくプロジェクト化されることになった。リーダーに抜擢され、まさに「ここから!」と気合を入れていた矢先のことだった。長男が高熱を出し、保育園から「今すぐ迎えに来てください」と電話が入った。

夫に電話をかけるも、その日はちょうど彼の会社で重要なプレゼンがある日。「どうしても抜けられない」と申し訳なさそうに言われ、沙織さんは急遽仕事を中断して保育園へ向かった。翌日も長男の熱は下がらず、夫はまたしても「今日は会議が立て込んでいて…」と出勤。結局、沙織さんが自身の有給を使って看病することになった。

この時、沙織さんの心に、それまで経験したことのない、重たい鉛のような感情が広がったという。自分の人生で一度きりかもしれない大きなチャンス。でも、それを掴むには、まず「子どもの急な体調不良に対応できる体制」を整えなければならない。でも、その「体制」の中心にいるのは、常に自分だった。

夫は「残念だったね。でも、子どもが一番だから、仕方ないよ」と優しく声をかけてくれた。その言葉は、沙織さんの心に複雑な波紋を広げた。「仕方ない」。その一言で、私のキャリアは諦めるものとして処理されてしまうんだ、と。

結局、沙織さんはそのプロジェクトリーダーの話を辞退した。理由は「家庭の事情」と、濁して。上司は理解を示してくれたが、彼女の心には「もう、私には無理だ」という諦めの気持ちと、「どうして私だけがこんな選択を強いられるんだろう」というやるせないモヤモヤだけが残った。

それからというもの、沙織さんは、これまでのようには「キャリアアップしたい」と強く思えなくなった。「どうせ無理だし」という言葉が、心のどこかに常に付きまとうようになったのだ。今は、残業が少なく、責任も限定的な部署への異動も検討しているという。夫には、「自分のペースで働きたいから」と伝えているが、本当の理由は、誰にも言えずに胸の奥にしまいこんでいる。

「なぜ私ばかり」の声にならない叫び

沙織さんの話は、決して特別なケースではない。多くの共働き家庭で、無意識のうちに「子どものことは母親が中心」という社会的な役割分担意識が根強く残っている。「夫も手伝ってくれるけど、結局、最終責任は私」という状態では、いつまでもキャリアのアクセルを踏み込めない。

夫が「良かれ」と思って「手伝うよ」と言ってくれる言葉の裏には、「主担当はあなた」というメッセージが隠れていることだってある。そして、その見えない役割分担が、私たちが「自分のキャリアを諦める」という選択を、まるで「自分で選んだ道」であるかのように錯覚させてしまうんだ。

だけど、心の中ではずっと叫んでいるはず。「なぜ私ばかりが、自分の夢やキャリアを手放さなきゃいけないの?」って。その声にならない叫びが、きっとあなたのモヤモヤの正体なんだ。

田中沙織さんのエピソードは、多くの共働き家庭で起きている現実を突きつけるものだった。自分だけがキャリアを諦めるように感じるそのモヤモヤは、決してあなた一人の問題ではない。それは、根深く残る「性別役割分担意識」と、それに伴う「見えない家事・育児の偏り」が生み出す、構造的な課題なのだ。

「諦め」を「選択」に変える、たった一つのシンプルな問い

「私だけキャリアを諦めるの?」という問いは、本来なら「私だってキャリアを追求したい」という強い願望の裏返しでもある。このまま「仕方ない」と蓋をして、心の奥底でモヤモヤを抱え続けるのは、あまりにももったいない。

ここで、あなたに試してほしい、たった一つのシンプルな問いがある。それは、パートナーとの会話の場で、家事や育児、そしてキャリアについて話すときに、意識的に投げかけてみてほしい言葉だ。

それは「これって、私だけがやるべきことなの?」という問い。

たったこれだけ? と思うかもしれない。でも、この問いには絶大な力がある。なぜなら、多くの夫は「妻がやっているから」という理由で、そのタスクを無意識に妻の役割だと認識しているからだ。あるいは、「妻の方が得意だから」「早く終わるから」という理由で、それが「妻の仕事」になってしまっていることも少なくない。

「これって、私だけがやるべきことなの?」この問いは、これまでの「無意識の役割分担」に、意識的なメスを入れるきっかけになる。

例えば、子どもの急な発熱の時。これまでは、迷わずあなたが仕事を中断して迎えに行っていたかもしれない。だけど、次に同じ状況になった時、夫に相談する形で「これって、私だけが迎えに行くべきことなの? あなたの方が今、融通が利かない?」と聞いてみてほしい。

すると、夫は初めて「あれ? 別に俺が行ってもいいんじゃないか?」と、自身の行動選択肢を認識するようになる。

これは決して、夫を責めるための言葉ではない。これまでの「当たり前」を一度立ち止まって、二人で「本当にそうなのか?」と見つめ直すための、最初の一歩なのだ。

「諦める」のではなく、「選ぶ」未来のために

この問いを投げかけることで、夫は「どうすれば、もっと公平に分担できるだろう?」と、具体的な解決策を考えるきっかけを得る。そしてあなた自身も、「どうせ私がやるしかない」という思考停止状態から抜け出し、「どうすれば私もキャリアを諦めずに済むか」という前向きな視点を持つことができるようになる。

もちろん、すぐに全てが変わるわけではないだろう。何度も話し合い、衝突することもあるかもしれない。でも、「私だけが我慢する」という状態から、「二人でどうすればベストかを探す」というフェーズに移行できるだけでも、心の負担は大きく変わるはずだ。

キャリアを諦めることは、「あなたの選択」であるべきだ。誰かに押し付けられたり、無意識のうちにそうなってしまったりする「諦め」であってはいけない。

あなたのキャリアは、あなたの人生の一部だ。共働きだからこそ、パートナーシップの力で、その輝きを諦めないでほしい。

「私だけキャリアを諦めるの?」というモヤモヤを、「どうすれば、私たち二人でキャリアも子育ても両立できる?」という問いに変えることで、きっと見える景色が変わる。そして、その一歩を踏み出すことで、あなたは「諦める」のではなく「選ぶ」未来を掴み取ることができるはずだから。

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