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食洗機・ルンバ、買ったのに…共働き夫婦がなぜか「もっと疲れる」時短の罠

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共働き家庭の「時短」って、本当に時短になってる?

食洗機、ロボット掃除機、乾燥機付き洗濯機…共働き家庭の「三種の神器」、ちゃんと揃えました? 頑張って稼いだお金で、ついに手に入れた人も多いはず。これで、家事の時間が劇的に減って、夫婦の会話が増えたり、自分の時間が持てる!って、期待してたでしょ?

…なのに。なぜか、前より忙しい気がする。夫婦喧嘩が増えた。そもそも、なんでこんなに疲れてるんだろう、って謎が深まってない? むしろ、時短家電を買う前より、心に余裕がなくなってない? 私、そのモヤモヤ、すごくよくわかる。今回は、みんながハマりがちな「時短の罠」について、徹底的に深掘りしてみるね。

時短家電は魔法じゃない。むしろ「見えない家事」の沼にハマる夫婦たち

時短家電を導入すれば、家事が楽になる。時間が生まれる。夫婦仲も円満に…そう信じて、大金をはたいた共働き夫婦は星の数ほどいるはず。でも、現実は甘くない。取材で出会った多くの夫婦から、私は驚くほど似たような話を聞く。今回は、そんな「時短の罠」に真っ向からぶつかってしまった、ある夫婦のエピソードを紹介しよう。

都内で暮らす共働き夫婦、拓也さん(仮名)と沙織さん(仮名)は、小学2年生の長女と保育園児の長男を持つ、まさに現代の典型的な子育て世代。お二人ともフルタイムで働き、毎日が怒涛のように過ぎていく。特に沙織さんは、仕事から帰ると待っている山のような家事と育児に、心身ともに疲弊しきっていたという。

「もうこのままじゃ無理だなって、本当に限界だったんです」と、当時の心境を語ってくれた沙織さん。
そんな状況を打破しようと、夫妻が目をつけたのが「時短家電」だった。食洗機、ロボット掃除機、乾燥機付き洗濯機…いわゆる“共働き三種の神器”を、引っ越しを機に一気に導入したのだ。拓也さんも「これで沙織が楽になるなら」と積極的で、最新モデルを揃えたという。

「これで解決」の幻想:食洗機編

一番期待していたのは食洗機だった、と沙織さんは言う。
「シンクに山積みになった食器を見るたびに、絶望的な気持ちになっていましたから。食洗機があれば、そのストレスから解放されるって信じていました」

しかし、実際に使い始めてみると、思わぬ落とし穴があったという。
まず「予洗い」問題。
「これ、食洗機あるあるですよね? ギトギトの油汚れとか、こびりついたご飯粒とかは、軽く流さないと結局落ちない。結局、水でジャーっと流す手間は残るんですよ」
もちろん、高性能な食洗機なら予洗い不要という機種もあるだろう。だが、多くの家庭では「予洗いの手間」と「食洗機に突っ込むだけ」の意識のギャップに悩まされる。

さらに、食洗機を「どう使うか」が夫婦喧嘩の火種になった。
「夫は、とにかく何でもかんでも食洗機に入れればいいと思ってるんです。耐熱じゃないプラスチックとか、お気に入りの漆器とか。あと、テキトーに詰めるから、洗い残しが頻繁に発生して。結局、私が洗い直したり、食洗機を回す前にきれいに並べ直したりする手間が増えました」
食洗機を「正しく効率的に」使うための知識や配慮は、なぜか沙織さんの担当になっていた。

そして、食洗機が終わった後の「食器を片付ける」作業。
「夫は食器をしまうのが苦手というか、基本的に私がやるものだと思っている節があって。洗い終わった食器が、食洗機の中に数時間、いや半日以上放置されていることもザラでした。結局、それを見かねた私が片付けるんですけど、そうなると『食洗機があっても、結局私が全部やってるじゃん!』って、ものすごい虚無感に襲われるんです」

食洗機は確かに物理的な「洗う」作業は代替してくれた。だが、その前後の「予洗い」「詰め方」「片付け」という「見えない家事」は残ったままで、しかもその責任のほとんどが沙織さんにのしかかっていた。

「床がきれいになる代償」:ロボット掃除機編

次に、ロボット掃除機。これも「床掃除から解放される!」という期待が大きかった。
拓也さんが「ルンバが部屋をきれいに保ってくれるから、いつでもスッキリする」と導入に乗り気だった。

「確かに、毎日床がピカピカなのは気持ちいいです。でも、そのために、ものすごく神経質になりました」と沙織さんは苦笑する。
ロボット掃除機を効率よく動かすには、床に物を置いてはいけない。子どもたちが散らかすおもちゃや、バッグ、服、充電コードなど…毎日、ロボット掃除機が稼働する前に、家中の床を完璧に片付ける必要がある。

「朝、バタバタしてるのに、子どもたちに『早くおもちゃを片付けて!ルンバが通れないでしょ!』って怒鳴るのが日課になっちゃって。以前は週末にまとめて片付けて掃除すればよかったのが、毎日片付けのプレッシャーがかかるようになって、逆にストレスが増えました」
ロボット掃除機が掃除する時間を確保するために、家族全員が「ルンバのために」行動しなければならなくなったのだ。

また、ロボット掃除機が入れない狭い場所や、ラグの端、段差のある場所などは、結局手で掃除機をかけたり、ホウキで掃いたりする手間が残る。
「結局、完璧じゃないから、気になるところは私が掃除し直すんです。そうすると『これなら、自分でやった方が早いんじゃ…?』って思えてきちゃって。なんのために高いルンバを買ったんだろうって、虚しくなりました」

「乾くけど、手間は残る」:乾燥機付き洗濯機編

そして、最後の切り札、乾燥機付き洗濯機。
「ベランダに洗濯物を干す作業と、雨の日の部屋干しのストレスから解放される!」という希望が一番大きかったと、沙織さんは語る。

しかし、これもまた別の問題を生んだ。
「ほとんどの衣類は乾燥できるんですけど、やっぱりデリケートな素材の服や、下着、縮んでほしくないお気に入りのシャツなんかは、乾燥機には入れられないんですよ」
結局、乾燥機にかけられない衣類だけは、手でハンガーにかけ、部屋干しスペースに干す手間が残った。

「夫は『もう全部乾燥機でいいじゃん』って言うんですけど、私は洋服を大事にしたいし、縮んだら嫌じゃないですか。でも、夫から見たら『なんで乾燥機があるのに干してるの?』って思われるのが、もうストレスで。結局、自分のこだわりが家事を増やす原因になっているような気がして、自己嫌悪に陥ることもありました」

さらに、乾燥後の衣類のシワ問題も悩みの種だった。
「乾燥機から出した服って、そのまま畳むとシワがひどいんですよね。だから、結局アイロンをかける手間が発生するんです。シーツやタオルはそのまま使えて便利だけど、普通の洋服はアイロン必須。だったら、最初から干して、軽くアイロンかけた方が楽なんじゃないかって…本末転倒ですよね」

なぜ、時短家電が夫婦を「もっと疲弊」させるのか?

拓也さんと沙織さんのエピソードは、決して特殊なケースではない。
時短家電は、特定の家事の「物理的な時間」を減らす。これは紛れもない事実だ。しかし、その家電を動かすための「準備」、家電がカバーできない部分を補う「見えない家事」、そして家電を導入したことによって生じる「新たな期待値」や「夫婦間の役割認識のずれ」が、共働き夫婦をさらに疲弊させる原因になっている。

拓也さんは「家電があるからもう大丈夫」と、沙織さんの家事負担への意識が薄れていったという。浮いたはずの時間は、沙織さんの「もっと頑張らなきゃ」というプレッシャーや、拓也さんの「もっと手の込んだ料理を作ってほしい」「もっと子どもと向き合ってほしい」という、新たな期待値で埋め尽くされていったのだ。

つまり、時短家電はあくまで「ツール」に過ぎない。そのツールをどう使いこなし、どう家族で協力し、どう「心にゆとり」を確保するか。そこを見誤ると、かえって夫婦の溝を深め、さらなる疲弊を招いてしまう。拓也さんと沙織さんの夫婦は、まさにその「時短の罠」にどっぷりハマってしまっていたのだ。

この話を聞いて、「うちもそうかも…」って思った人もいるんじゃないかな?
「時短家電」の導入は、家事の負担軽減のスタートラインであって、ゴールではない。むしろ、それを機に夫婦で家事のあり方や役割分担について徹底的に話し合い、意識をアップデートする「チャンス」だと捉えるべきなんだよね。

次は、じゃあ、この「時短の罠」からどうやって抜け出すのか? 具体的な対策について深掘りしていくよ。

時短家電は「心のゆとり」を買いませんか? 夫婦で始める、本気の役割再構築

拓也さんと沙織さんのエピソードを聞いて、「うちも同じだ…」とため息をついた人もいるかもしれません。家電が時間と手間を削減してくれるはずが、なぜか心は満たされず、夫婦の間に新たな溝が生まれてしまう。この「時短の罠」から抜け出すために、一体どうすればいいのでしょうか?

罠から抜け出す、たった一つのシンプルな「問い」

私が伝えたいことは、ただ一つ。「時短家電は、一体誰のために、何のために導入したのか?」を夫婦で徹底的に話し合うことです。

多くの共働き夫婦は、時短家電を導入する際に「これで物理的な家事が減るから、私(妻)が楽になる」と考えがちです。あるいは、「これで時間が増えるから、もっと育児に専念できる」「趣味の時間を持てる」と、漠然とした期待を抱きます。

でも、本当に大事なのは、家電によって生み出された「時間」や「労力」を、夫婦でどう共有し、どう「心のゆとり」に変えるか、という視点。この意識が欠けていると、家電は単なる「物理的な作業の代替」に終わり、そこに付随する「見えない家事」や「心の負担」は、結局どちらか一方に集中してしまうんです。

例えば、食洗機が洗い物を終えた後、食器を片付けるのは誰の役目? ロボット掃除機が稼働する前の片付けは? 乾燥機付き洗濯機から出したシワだらけの服のアイロンは? これまで「妻の仕事」だったタスクが、家電によって一部代替されたとしても、その「前後」や「付随する手間」が、自動的に夫婦間で平等に分担されるわけではないんですよね。

だからこそ、家電導入の前後で、あるいは「あれ?なんか疲れてる?」と感じたその瞬間に、「この家電で生まれる『余裕』は、夫婦でどう分かち合う?」と問い直す。そして、「どうすれば、私たち二人ともが、もっと心穏やかに過ごせるようになる?」というゴールを共有することが、何よりも大切なんです。

解決策は、家電ではない。夫婦の「対話」と「意識のアップデート」

拓也さんと沙織さんも、最終的にはこのシンプルな問いに向き合いました。沙織さんが「家電があるのに、なぜか私がもっと忙しく感じる」というモヤモヤを拓也さんに正直に伝えたことから、夫婦の「対話」が始まったそうです。

拓也さんは、沙織さんの言葉を聞くまで、食洗機やロボット掃除機が「物理的な家事」しか代替していないこと、そしてそれに伴う「見えない家事」や「心の負担」が沙織さんに集中していることに気づいていなかったといいます。

そこから彼らは、家電の「具体的な使い方」から「家事の全体像」「それぞれの得意・不得意」「本当に何に時間を費やしたいか」まで、徹底的に話し合ったそうです。
例えば、食洗機で洗えない食器は「夫婦で分担して手洗いする」ルールを作ったり、乾燥機にかけられない服は「夫が畳む」という役割分担をしたり。ロボット掃除機の稼働前の片付けは「子どもたちも巻き込んでゲーム感覚でやる」工夫を取り入れたり。

これは、決して「夫が家事をするようになった」という単純な話ではありません。
家電が効率化した「物理的作業」以外の部分を、どう「夫婦の共有スペース」として捉え直し、どう「二人で力を合わせる機会」に変えるか。その意識改革が、彼らの関係を大きく変えたのです。

時短家電は、確かに私たちの生活を豊かにする可能性を秘めています。
でも、それはあくまで「きっかけ」に過ぎない。
家電があるから家事が減る、という単純な発想ではなく、
「この家電があることで、私たちはどんな時間を作り、どんな心のゆとりを手に入れたいのか?」
「そのために、夫婦でどこまで家事の役割を見直し、共有していくのか?」
ここまで深く掘り下げて話し合えた夫婦だけが、本当に「時短の恩恵」を受けられるんです。

もし今、あなたが「時短家電を買ったのに、なぜか疲れてる…」と感じているなら、それはあなたの使い方が悪いわけでも、家電が悪いわけでもありません。ただ、まだ夫婦で「本気の役割再構築」の話し合いができていないだけ。

家電は、夫婦の協力と対話のきっかけ。
そう捉え直して、パートナーと一緒に、本当に「心にゆとり」が生まれる共働き生活を手に入れてほしいな。

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